第九話 桜並木の彼

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続 夏目友人帳
グラタン皿は4人分。
ああいうお皿ってやっぱり揃いで持ちたいものじゃない。
ひとつだけ残されても、売れにくいじゃない。
だから3皿300円ならもう一皿余らせるより4皿でも同じ値段にしていいじゃない。
それが商売ってもんだ。
しかしニャンコ先生はグラタンでいいのだろうか。
疑問に思うまでもなく熱々グラタンを出す塔子さんかわいい。
私が藤原家に居候していたら、グラタンを食べるのは私なのに。
グラタン皿のついでに絵もどうだ。
絵を飾ってから毎日花が降ってくる。
花を降らせていたのは妖怪、巳弥。
あの人、八坂様のために。
その絵はもらい物なのに巳弥は夏目を泥棒呼ばわり。
それが面白くないものだからニャンコ先生は。
まったく夏目を侮辱するとはけしからん。
夏目をバカにしていいのはニャンコ先生だけだ。
ニャンコ先生だって夏目を泥棒呼ばわりなどせんわ。
絵はなぜか取り外せなくなったから毎日会いましょう、散歩がてらに桜並木の下でお話でもしましょう。
桜の木の上から手だけ出す女の子が妖であると八坂様は気づきません。
八坂様は絵の中に逃げ込んでしまった、だからこの絵はメトロポリタン美術館
メトロポリタン美術館とともに旅をする。
今は夏目の部屋の壁に固定されてしまったから、毎日夏目の部屋に来る。
春地蔵には夏目の屍から木が生えているのが見える。
夏目がひとりで大声を出しているから心配する塔子さん。
その心配をまったく晴らさない夏目は相変わらず。
絵が夏目の力を吸い取って、枝まで伸ばす姿が見える。
夏目の事を奪えるのはニャンコ先生だけ。
ニャンコ先生が絵に攻撃しようとして、止めに入った夏目をどついて慌てて元の姿に戻る。
ニャンコ先生かわいいなあ。
夏目のために絵を焼こうとする巳弥と、たとえ自分の力を吸われても巳弥の大事な絵だから燃やさせない夏目。
バカバカしいとか言いながら夏目はかわいいなあと思っているニャンコ先生
大切な人塔子さんに本当の事を伝えられない夏目。
大切な人八坂様に本当の事を伝えられない巳弥。
冬の木の下で待っていた八坂様。
本当は冬に木の下で会えればよかったけれど、その勇気がなくてごめんなさい。
だから、せめて春の桜の下で。
燃やすなら、最後に春の桜の木の下で会いたい。
会いたかったのは、巳弥だけじゃない。
絵が枝を伸ばしたのは、八坂様が巳弥に会いたかったから。
桜の木の下で大好きな八坂様と。
桜の木の下で大好きなニャンコ先生と、大好きな塔子さんと。